「地域交通安全活動推進委員」(以下「推進委員」と略称します。)の制度は、平成2年の道路交通法の一部改正により設けられ、平成3年1月から全国でスタートしました。
制度導入時には、推進委員の活動として、特に駐車問題を解決するための活動が掲げられていましたが、推進委員の役割は、時代の流れとともに大きくなっており、平成9年の道路交通法の改正で推進委員の活動に「適正な交通の方法及び交通事故防止について住民の理解を深めるための住民に対する交通安全教育」が加えられたことを始め、平成19年には「自転車の適正な通行の方法について住民の理解を深めるための運動の推進」が、平成21年には「高齢者、障害者その他その通行に支障のある者の通行の安全を確保するための方法について住民の理解を深めるための運動の推進」がそれぞれ加えられました。
推進委員制度については、「道路交通法」(昭和35年法律第105号。以下この章と第2章において「法」と略称します。)及び「地域交通安全活動推進委員及び地域交通安全活動推進委員協議会に関する規則」(平成2年国家公安委員会規則第7号。以下この章と第2章において「規則」と略称します。)等に必要な規程が置かれています。
それでは、推進委員制度に関する基本的な事項について説明します。
道路における交通の安全と円滑を確保することは、国民全ての願いであり、民間の有志が行う交通の安全と円滑に資するための自主的な活動は、比較的早い時期から行われてきました。
しかし、このようなボランティア活動については、一般的には、法律上の位置付けが明確ではありませんでした。
地域における交通問題を解決するためには、行政機関による取組を強化させることはもちろん重要ですが、このような取組と併せて、地域住民の理解と協力を得て、地域ぐるみでこの問題に取り組んでいただくことが重要です。
そこで、地域における道路交通に関するモラルを向上させ、交通安全の確保について住民の理解を深めるための諸活動のリーダーとして活躍していただくボランティアの人たちに法律上の資格を付与し、その活動の促進を図るために設けられたものが、推進委員の制度です。
このように、ボランティアの法律上の位置付けを明確にすることで、
が期待されています。